屋外展示の巨大なシロナガスクジラの像が目をひく国立科学博物館。
1877年に創立して140年以上たち、400万点以上の膨大で貴重なコレクションを保管している。
日本館と地球館の2館がとなりあい、日本館は真上から見ると飛行機のカタチ。
上空からしかながめられない、見えないおしゃれ。
イベントは、日本館1Fの企画展示室で企画展を行い、地球館B1Fの特別展示室で特別展を開催する。
目次
国立科学博物館のイベント予定
2021年3月〜6月まで、地球館B1Fで特別展「大地のハンター展」を開催。
狩りをする動物たちを大地のハンターと例え、進化の歴史やハンティングのテクニックを紹介する。
7月のイベント
7月上旬から下旬まで「植物画コンクール入選作品展」を開催。
約80点におよぶ植物画の入選作品を部門別に展示する。
9月のイベント
9月頃、日本館1Fで「未来技術遺産 登録パネル展」を開催。
その年に未来技術遺に登録された資料のパネルを展示する。
国立科学博物館の過去の代表的なイベント
2019年11月2日(土)~2020年2月24日(月)まで、地球館B1Fで特別展「ミイラ 永遠の命を求めて」を開催。
エジプト・ヨーロッパ・南米など世界各地から、人工的なミイラや自然なミイラが大集合する。
2019年7月13日(土)~10月14日(月)まで、地球館B1Fで特別展「恐竜博2019」を開催。
むかわ竜の全身骨格化石を世界初公開するなど、まだ誰も見たことがない恐竜たちがやってくる。
2019年3月21日(木)~6月16日(日)まで、地球館B1Fで特別展「大哺乳類展2 みんなの生き残り作戦」を開催。
大哺乳類展から9年、陸と海のなかまたちが上野に再集結し、500点以上の剥製や骨格で、哺乳類の生き残り戦略や、哺乳類の大行進を紹介する。
2019年4月9日(火)~6月16日(日)まで、企画展「ビーズ 自然をつなぐ、世界をつなぐ」を開催。
さまざまな素材のビーズを展示する、大阪府吹田市にある国立民族学博物館との共同企画展。
2019年4月13日(土)~6月16日(日)まで、企画展「100年前の東京と自然 プラントハンター ウィルソンの写真から」を開催。
日本館B1Fに100年前の東京近郊で撮影した植物や風景の写真を展示し、地球館1Fに屋久島のウィルソン株や屋久杉など鹿児島・沖縄で撮影した写真を展示した。
2019年2月13日(水)~3月31日(日)まで、日本館B1Fの多目的室で「天皇陛下御即位三十年記念展示 天皇陛下の御研究と皇居の生きものたち」を開催。
天皇陛下が取り組まれた、生物学のご研究について紹介した。
2018年12月11日(火)~2019年3月24日(日)まで、日本館1Fの企画展示室で企画展「砂丘に眠る弥生人 山口県土井ヶ浜遺跡の半世紀」を開催。
弥生時代人骨の研究のきっかけになった土井ヶ浜遺跡と、弥生人研究の歩みを紹介した。
2018年10月30日(火)~2019年3月3日(日)まで、地球館B1Fで特別展「明治150年記念 日本を変えた千の技術博」を開催。
自動車・通信機・家電など、明治から平成にかけて発明された、現代の生活のルーツが大集合。
約600点以上の展示で、150年の日本の科学技術史を振り返る。
2018年9月4日(火)~11月25日(日)まで、日本館1Fの企画展示室で企画展「標本づくりの技(ワザ)」を開催。
職人による長期保管が可能な標本づくりの技を、動物・植物・地学・人類・理工学の研究ごとに紹介した。
2018年7月13日(金)~10月8日(月)まで地球館B1Fの特別展示室で、特別展「昆虫」を開催。
天然記念物の昆虫など、さまざまな昆虫の標本を展示した。
2018年4月20日(金)~6月17日(日)まで、企画展「沖縄の旧石器時代が熱い!」を開催。
日本最古の全身骨や世界最古の釣り針を展示し、沖縄でカニを食べて生活していた旧石器人の暮らしを紹介した。
2018年3月13日(火)~6月17日(日)まで地球館B1Fで、特別展「人体 神秘への挑戦」を開催した。
2017年10月21日(土)~2018年2月18日(日)まで地球館B1Fで、特別展「古代アンデス文明展」を開催した。
2017年7月11日(火)~10月1日(日)まで地球館B1Fで、特別展「深海 最深研究でせまる生命と地球」を開催した。
2017年3月18日(土)~6月11日(日)まで地球館B1Fで、特別展「大英自然史博物館展」を開催した。
2016年11月1日(火)~2017年2月19日(日)まで地球館B1Fで、特別展「世界遺産ラスコー展」を開催。
ラスコー洞窟の壁画を、ホンモノそっくりに再現した。
2016年7月8日(金)〜10月2日(日)まで地球館B1Fで、特別展「海のハンター展」を開催。
サメをはじめ、さまざまな海のハンターたちの標本を展示した。
特別展 昆虫(終了)
国立科学博物館で初めての昆虫をテーマにした特別展。
世界各地で収集した約5万点におよぶ昆虫標本を展示し、昆虫の3D映像を上映した。
昆虫の展覧会と聞くと女性はすこし敬遠しがちだが、特別展スタッフがマダガスカルで採集したカラフルな昆虫や、琥珀(こはく)の中にとじこめられた太古の昆虫は、まるで宝石さながらの美しさ。
自分の背丈より大きく巨大化した約2メートルのニホンミツバチやヒトスジシマカは、食べられてしまいそうなほど大迫力。
世界のさまざまなゴキブリを集めたGの部屋は、怖いもの見たさと恐怖心が葛藤する。
オフィシャルサポーターは、NHKのテレビ番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」でカマキリ先生をつとめる香川照之さんが担当。
昆虫マイスターとして、夏休みの小学生のように麦わら帽子をかぶり、虫かごと虫とりあみをたずさえてポーズを決めるポスターを公開した。
昆虫は、ふだんそこかしこで見かけ、あまりめずらしいと感じないが、地球上に100万種類以上存在すると言われ、いまだ全容が解明されていない身近だけど未知の生物。
夏休みの自由研究として、正しい昆虫採集を学び、婚活ならぬ昆活をはじめるきっかけにしたい。
- 特別展 昆虫のイベント概要
- 開催期間:2018-7-13(金)~2018-10-8(月)
- 時間:9:00-17:00(金曜・土曜は20:00まで)
- 休館日:月曜日
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
特別展 人体 神秘への挑戦(終了)
人体の構造や機能を、模型や資料で紹介する特別展。
展覧会に先駆け、タモリさんと山中伸弥教授の司会で、NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」を、2017年10月〜2018年3月まで、1カ月に1〜2集ずつ計7集放送し、来場前に予習しておける。
会場には、レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖手稿や、解剖学者アンドレアス・ヴェサリウスの解剖書、金沢市指定文化財の紙粘土の人体模型「キンストレーキ」を展示。
ルネサンス期から現代まで、人体の研究がどのように進化してきたか、たどれる構成。
病気にかかったりしないと、なかなかじっくり調べる機会がない自分のカラダについて、あらためて学べる。
- 特別展 人体 神秘への挑戦のイベント概要
- 開催期間:2018-3-13(火)~2018-6-17(日)
- 時間:9:00-17:00(金曜・土曜は20:00まで)
- 休館日:月曜日
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
- 当日チケット料金:一般・大学生 1,600円/小・中・高校生 600円
特別展 古代アンデス文明展(終了)
マチュ・ピチュやナスカの地上絵が制作されたアンデス文明の展覧会。
アンデス文明の9文化にスポットライトをあて、現代に残る土器や装飾品など、約200点を展示した。
会場は、序章から第六章まで、7セクションで構成。
黄金の像や黄金の頭飾りなど、黄金製品は、いまなお輝きを失わず、不思議な魔力をまとっているかのよう。
魅力的な文明のひとつであるアンデス文明を、はじまりから終わりまでたどれる。
- 特別展 古代アンデス文明展のイベント概要
- 開催期間:2017-10-21(土)~2018-2-18(日)
- 時間:9:00-17:00(金曜・土曜は20:00まで)
- 休館日:月曜日および2017年12月28日〜1月1日・1月9日
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
- 当日チケット料金:一般・大学生 1,600円/小・中・高校生 600円
特別展 深海 最深研究でせまる生命と地球(終了)
深海にまつわるさまざまなことを紹介する特別展。
ダイオウイカやオンデンザメ、ダイオウグソクムシなど、深海に住む巨大生物の標本を展示したり、クラゲやチョウチンアンコウなど、深海でネオンサインのようにかがやく発光生物の映像を上映した。
深海の生物たちに加え、有人潜水調査船「しんかい6500」の2分の1スケールの模型など、深海調査機器の模型や実物を展示。
地球深部探査船「ちきゅう」の操縦席「サイバーチェア」の実物は、座りたい衝動にかられる。
船の科学館の屋外展示として、深海潜水艇PC-18の模型や、潜水調査船たんかいを展示しているので、はしごしてみるのもおもしろい。
まだ謎が多い深海にもぐって探検するかのような展覧会。
- 特別展 深海 最深研究でせまる生命と地球のイベント概要
- 開催期間:2017-7-11(火)~2017-10-1(日)
- 時間:9:00-17:00(金曜・土曜は20:00まで、2017年8月13日~20日は18:00まで)
- 休館日:2017年7月18日・9月4日・9月11日・9月19日
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
- 当日チケット料金:一般・大学生 1,600円/小・中・高校生 600円
特別展 大英自然史博物館展(終了)
大英自然史博物館展は、イギリスのロンドンにある大英自然史博物館のコレクションから、約370点を展示した展覧会。
大英自然史博物館は、イギリスを代表する観光地。8,000万点を超える標本を所蔵する世界的な博物館。
始祖鳥の化石や、ダーウィンの種の起源の直筆原稿、チャレンジャー号やエンデバー号が収集した標本、呪いのアメジストなど、言葉の響きだけで興味をひかれるさまざまな標本を展示。
日本の鉱物である輝安鉱や、日本に落下した隕石を、大英自然史博物館の所蔵品として展示しているのは、すこし不思議な感覚。
大英自然史博物館による初めての世界巡回展で、初めての会場が国立科学博物館という、記念すべき特別展。
- 特別展 大英自然史博物館展のイベント概要
- 開催期間:2017-3-18(土)~2017-6-11(日)
- 時間:9:00-17:00(金曜・土曜は20:00まで、2017年4月30日~5月4日は18:00まで)
- 休館日:月曜日、2017年3月21日(火)
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
- 当日チケット料金:一般・大学生 1,600円/小・中・高校生 500円
特別展 世界遺産ラスコー展(終了)
世界遺産ラスコー展は、クロマニョン人が残した洞窟壁画を展示した特別展。
フランスのラスコー洞窟で見つかった壁画は、世界遺産に登録されていて実物は持ってこられないが、1ミリ以下の誤差で再現した実物大の壁画を見学できる。
会場内は、ホンモノの洞窟を探検しているかのようで、歩いているだけで童心にかえってワクワクする。
ラスコー展は、新垣結衣さん主演のテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」、通称、逃げ恥の第10話の舞台になったことでも話題を集めた。
- 特別展 世界遺産ラスコー展のイベント概要
- 開催期間:2016-11-1(火)〜2017-2-19(日)
- 時間:9:00-17:00(金曜日は20:00まで)
- 休館日:月曜日・2016年12月28日(水)~2017年1月1日(日)・2017年1月10日(火)
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
- 当日チケット料金:一般・大学生 1,600円/小・中・高校生 600円
特別展 海のハンター展(終了)
海のハンター展は、サメやシャチ、マグロなど、100以上の海のハンターたちの標本や映像を展示した特別展。
太古の海のプレデターのコーナーに、魚竜・首長竜・翼竜の化石標本や、12メートル以上あるサメ「カルカロドン・メガロドン」の復元模型を展示し、標本と分かっていても圧倒される。
見どころは、3メートル以上ある巨大なホホジロザメの液浸標本。
捕食するときの角度など、細部までこだわって再現し、ギザギザの歯を間近で見学できる。
会場には、海のハンターショップを併設。
サイダーならぬサメダーや、海のハンターゼリーなど、サメグッズをお土産に買える。
- 特別展 海のハンター展のイベント概要
- 開催期間:2016-7-8(金)〜2016-10-2(日)
- 時間:9:00-17:00(金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
- 休館日:2016年9月5日(月)・12日(月)・20日(火)
- 会場:国立科学博物館 地球館B1F 特別展示室
- 当日チケット料金:一般・大学生 1,600円/小・中・高校生 600円
国立科学博物館の常設展の見どころ
国立科学博物館には、日本館と地球館の2館と屋外に常設展示スペースがある。
すべてじっくり鑑賞すると、半日近くかかるので、覚悟していどみたい。
その分、見どころがたくさんあり、知的なデートや子供連れのお出かけにもってこい。
展示スペースに加え、日本館にミュージアムショップとカフェ、地球館にレストラン ムーセイオンと屋上庭園を併設。
日本館の展示を見学し終わったら、カフェやレストランでランチ休憩してから、地球館の展示を見はじめるのがおすすめ。
屋外展示
屋外展示は、シロナガスクジラの像・D51形蒸気機関車・鋳造の地球儀と知恵ふくろう・ラムダ・ロケット用ランチャーの4点。
入場チケットがなくても、無料で自由に鑑賞できる。
帰りは疲れてヘトヘトになっているので、来たときに入館する前に見学しておいたほうがいい。
ラムダ・ロケット用ランチャーだけ正門の裏側にあるので、入場してから見るのが近道。
シロナガスクジラの像
日本館の正面に向かって左に、30メートルぐらいの巨大なシロナガスクジラの像がある。
シロナガスクジラは、地球上に存在する一番大きな生き物で、原寸大というのがおどろきの大きさ。
D51形蒸気機関車
日本館の正面に向かって右に、デゴイチの愛称で知られるD51形蒸気機関車を展示している。
線路まで敷かれ、今にも走り出しそう。
鋳造の地球儀と知恵ふくろう
D51形蒸気機関車の近くに、緑色の鋳造の地球儀がある。
地球儀はところどころに穴が空いていて、中に金色のふくろうの像が2体いるのが見える。
ラムダ・ロケット用ランチャー
地球館の裏に、日本で初めて人工衛星「おおすみ」を発射したロケットランチャーを、ひっそりと展示している。
国立科学博物館に入館せずに見る場合、正面入口から裏側にぐるっとまわりこみ、線路沿いの道から見学する。
入館して見る場合、日本館から地球館に行く途中の通路にある案内板に沿って行く。
日本館
日本館は、1〜3Fの3フロアに5つのエリアがあり、日本列島の生き物や自然を展示によって紹介している。
5つのエリアに加え、1Fに企画展示室、B1Fにシアター360とフーコーの振子があり、ラウンジ・カフェとミュージアムショップを併設。
自由な順路で見学できるが、まずエレベーターで3Fにあがり、3Fから1Fにおりてくるルートがおすすめ。
展示室は、3Fから順番に番号が振られている。
日本列島の素顔 日本館3F南
日本列島の素顔は、日本列島の自然を紹介するエリア。
南北に長い日本列島の自然、日本列島を囲む豊かな海、変動する日本列島、3つのコーナーがある。
小さな展示室に展示している日本に落下した隕石と、鉱物コレクションの2つを見逃さないようにしたい。
鉱物コレクションは、故・櫻井欽一さんによる櫻井コレクション。
壁一面に広がるさまざまな色やカタチの鉱物たちは、まるで宝石のよう。
日本に落下した隕石は、大小さまざまな約50個の隕石を展示し、こんなに落ちていたのかとおどろく。
日本列島の生い立ち 日本館3F北
日本列島の生い立ちは、日本列島の誕生から成立までの変化の歴史を紹介するエリア。
日本列島の骨組み、日本列島誕生前、日本海の誕生と日本列島の成立、氷期と間氷期、トピックス展示、5つのコーナーがある。
展示室の入口に、巨大なフタバスズキリュウの復元骨格が天井からつり下がっていて目をうばわれるが、付近に展示しているフタバスズキリュウの実物化石を見逃さないように注意したい。
展示室の奥に50個以上展示しているアンモナイトの化石は、故・川下由太郎さんによる川下コレクション。
生き物たちの日本列島 日本館2F南
生き物たちの日本列島は、日本の動物や植物など生き物が、自然環境に適応しながらどのように変化していったか紹介するエリア。
渡来と分化の足跡、植物たちの適応戦略、海に隔てられた動物たち、気候に合わせる、4つのコーナーがある。
いろんな種類のクワガタを展示しているコーナーは、子供の頃の昆虫採集を思い出し、童心にかえってワクワクする。
日本人と自然 日本館2F北
日本人と自然は、日本人が日本列島の自然とどのように向きあってきたか、紹介するエリア。
日本人の旅、日本列島における人類史のはじまり、巧みに生きる縄文人、大陸から来た弥生人、現代日本人の形成、骨からわかる祖先たちの暮らしと健康、人と社会を取り巻く自然、日本人と自然のいとなみ、8つのコーナーがある。
奥に東京都谷中三崎町で発掘された江戸時代の女性のミイラを展示しているが、撮影禁止なので注意したい。
また、忠犬ハチ公とカラフト犬ジロの剥製を、2匹寄り添うように展示している。
目立つ展示ではないので、気づかずに通り過ぎてしまいそうだが、渋谷駅のハチ公像を見慣れていれば、忠犬ハチ公の顔を見てピンとくる。
船の科学館の南極観測船宗谷の船内に、タロとジロの剥製模型を展示しているので、見比べてみるのもおもしろい。
縄文人や弥生人の暮らしを等身大の模型で紹介する展示にならび、何も展示されていない「現代人」というスペースがある。
自分が展示のようにスペースに入って記念撮影できるユーモアがあるフォトスポット。
自然をみる技 日本館1F南
自然をみる技は、自然を観察するさまざまな技術を紹介するエリア。
天を知る 天球儀・天文、地を知る 地震計、時を知る 時計、微小を知る 顕微鏡、4つのコーナーがある。
日本初の本格的な天体望遠鏡のトロートン天体望遠鏡、渋川春海の天球儀、日本最古の地震計 ミルン水平振子地震計の3つは、いずれも重要文化財に指定されている。
冲方丁さんによる小説「天地明察」は、渋川春海さんの生涯を書いた作品。
俳優の岡田准一さんが主演して映画化された。
中央ホール 日本館1F
日本館1Fの中央ホールから上を見上げると、真っ白なドームの窓にはめこまれたステンドグラスをながめられる。
日本館は、階段の途中にもステンドグラスがはめこまれているなど館内の装飾が美しく、ネオ・ルネサンス様式の建物自体が、重要文化財に指定されている。
展示の見どころがてんこ盛りだが、内装までじっくり鑑賞したい。
シアター360 日本館B1F
日本館のB1Fには、2005年に開催した愛・地球博でつかった「シアター360」がある。
直径約12.8メートルの球形スクリーンの360度全方向に映像を投映するプラネタリウムのような施設。
12.8メートルは、地球のおよそ100万分の1の大きさ。
9:30〜16:30まで、1回10分ぐらいのムービーを繰り返し上映していて、中心のブリッジに立って鑑賞できる。
上映しているムービーは、独特な浮遊感とスピード感があり、まるでブリッジが動いているかのように錯覚し、つい手すりをつかんでしまう。
毎月上映作品が変わるので、過去に見たことがあっても国立科学博物館に来館するたびに鑑賞したい。
2018年9月4日(火)~2019年3月下旬まで、設備改修で閉鎖していたが、2019年3月19日(火)にリニューアルオープンした。
閉鎖中は、シアター360の映像5作品や常設展をVR体験できる「おウチで科博(ハコスコ)」をミュージアムショップで購入して楽しめる。
フーコーの振り子 日本館B1F
フーコーの振り子は、振り子がゆれる方向がすこしずつ変わっていくことが分かり、地球が自転している証明につかわれた振り子。
日本館B1Fの階段の踊り場に展示している。
1851年にパリ出身の物理学者 レオン・フーコーさんが公開実験を行ったため、フーコーの振り子と呼ばれている。
ミュージアムショップ 日本館B1F
ミュージアムショップでは、化石や実験・観察・工作キットなど、美術館では買えない子供がよろこびそうなお土産を販売している。
微生物ソックスや、地層・化石ソックスなど、ここでしか手に入らないユニークなシースルーソックスは、話題づくりになりそう。
閉館時間ギリギリまで展示を見ていると、ミュージアムショップに立ち寄る時間がなくなってしまうので注意したい。
- 国立科学博物館 ミュージアムショップの店舗情報
- 営業時間:9:30-17:00
- 休日:国立科学博物館の休館日に準じる
- 電話番号:03-5814-6757
地球館
日本館が日本についての展示だったことに対して、地球館は地球の生き物と技術の歴史を紹介している。
B3Fから3Fまで、7フロアに10のエリアがある。
地球史ナビゲーター 地球館1F
地球史ナビゲーターは、宇宙史・生命史・人間史をテーマにした地球館のシンボルゾーン。
地球館は、このエリアから見学しはじめるのがいい。
地球の多様な生き物たち 地球館1F
地球の多様な生き物たちは、地球史ナビゲーターの奥にあるエリア。
海洋生物の多様性、陸上生物の多様性、多様性の由来、系統広場、自然を生き抜く工夫、生物多様性の保全、6つのコーナーがある。
天井からつり下がるマッコウクジラの全身骨格は、真下から見上げられて迫力満点。
体長7メートル以上あるダイオウイカの液浸標本は、まるで水の中で泳いでいるかのよう。
エリア内にある「生命の花」では、40分ごとに5分ほどの映像を上映しているので、タイミングがあえば鑑賞していきたい。
科学技術の偉人たち 地球館M2F
科学技術の偉人たちは、野口英世さんや北里柴三郎さんをはじめ、日本の科学者や技術者、24人の肖像レリーフを展示している地球館中2階のエリア。
国立科学博物館の外の木々の間に、試験管を見つめる野口英世さんの銅像を、さりげなく展示している。
科学技術で地球を探る 地球館2F
科学技術で地球を探るは、観測ステーション、地球を探るサイエンス、2つのコーナーがあるエリア。
観測ステーションには、地球のさまざまな観測データを準リアルタイムに表示している。
科学と技術の歩み 地球館2F
科学と技術の歩みは、江戸時代より後の日本の科学技術の発展を紹介するエリア。
科学技術への誘い、江戸時代の科学技術、近代化の始まり、近代化の成果、新たな日本の科学技術の発展、科学技術の過去・現在・未来、6つのコーナーがある。
はやぶさのレプリカの付近にある小惑星探査機「はやぶさ」が採集した小惑星イトカワの微粒子を見学できるコーナーは、混雑を避けるために1人1分間だけ自分で顕微鏡を操作して見られる。
顕微鏡をあやつるのは、ちょっとしたゲーム感覚でおもしろい。
フロアの奥には零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦を展示。
乗りこみたくなる衝動がおさえられないほどかっこよく、男性は子供から大人までゼロ戦にくぎづけになっている。
ゼロ戦は、靖国神社の遊就館の玄関ホールにも展示されていて、無料で鑑賞できる。
親と子のたんけんひろば コンパス 地球館3F
親と子のたんけんひろば コンパスは、4~6歳の幼児向け施設。
子供と一緒に展示を見たり、さわったりして遊べる。
4歳以下でも入場できるが、13歳以上だけだと入場できない。
利用するには整理券が必要で、地球館1Fのインフォメーションで整理券を発券できる。
大地を駆ける生命 地球館3F
大地を駆ける生命は、たくさんの哺乳類と鳥類の剥製を展示するエリア。
進化の頂点・野生大型獣、動物たちが生きるための知恵、サバンナの哺乳類、われわれの隣人、絶滅の淵で、鳥の多様な形、6つのコーナーがある。
115体の大型動物の剥製たちは、今にも動き出しそうで、動物園さながら。
上野動物園のジャイアントパンダ「フェイフェイ」と「トントン」の剥製や、日本に3体しかないニホンオオカミの剥製を展示しているなど、大勢の中に貴重な剥製がちりばめられている。
地球環境の変動と生物の進化 地球館B1F
地球環境の変動と生物の進化は、男の子にはたまらない恐竜のエリア。
ティラノサウルス・トリケラトプス・ステゴサウルスなど恐竜の復元骨格を展示している。
向かいあう恐竜の骨格は、今にも戦いがはじまりそうで迫力満点。
B1Fは特別展示室があるので、常設展示スペースがせまい。
地球環境の変動と生物の進化 地球館B2F
地球環境の変動と生物の進化は、人間も含めて、地球の生き物がどのように進化してきたか、紹介するエリア。
46億年の散歩道、地球のおいたちを調べる、絶滅と進化をうながす地球環境、海で起こった生物の爆発的進化、陸上に進出した生物、陸上を支配した哺乳類、水に戻った四肢動物、空を飛んだ脊椎動物、人類の進化、9つのコーナーがある。
コロンブスマンモスの全身骨格を展示していて、間近で見学できる。
巨大な2本のキバは、何でもつきささりそう。
また、マンモスの骨を利用した住居の復元模型を展示し、すごくあったかそうなテントのような見た目。
自然のしくみを探る 地球館B3F
自然のしくみを探るは、自然のしくみを知るための科学技術や、科学技術者を紹介するエリア。
日本の科学者、法則を探る、宇宙を探る、物質を探る、4つのコーナーがある。
アポロ11号とアポロ17号が持ち帰って、アメリカから日本に寄贈した月の石は、ロマンを感じる展示。
元素の実物を展示している元素の周期表は、水兵リーベぼくの船という、理科の授業で習った元素の語呂あわせを思い出す。
フロアの奥に宇宙空間を飛び交う「宇宙線」など粒子を観察できる霧箱という装置があり、もやもやただよう宇宙線を観察できる。
スカイデッキ・ハーブガーデン 地球館屋上
地球館の屋上には、ウッドデッキが敷かれた休憩スペース スカイデッキや、約150種類のハーブが植えられているハーブガーデンがある。
屋上は飲食できるので、晴れた日はピクニック気分でランチすると、開放的で気持ちがいい。
ハーブガーデンを散歩すると、ハーブの香りで気分がリラックスする。
天気が悪いと閉鎖し、屋上に入れないことがあるので注意したい。
レストラン「ムーセイオン」 地球館M2F
ムーセイオンは、国立科学博物館で唯一のレストラン。
唯一なので休日は混雑するが、180席あるので回転は早い。
開催中の特別展にちなんだ記念メニューを提供することがあり、特別展を見た後に余韻にひたりながら食事できる。
日本館を見学した後に、地球館の展示を見はじめる前の休憩と腹ごしらえに利用したい。
- レストラン「ムーセイオン」の店舗情報
- 営業時間:10:00-17:00(金曜日と土曜日は20:00まで)
- 電話番号:03-3827-2080
国立科学博物館の行き方・アクセス(新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため営業時間を変更している場合があります)
国立科学博物館は、上野恩賜公園内にある。
JR上野駅を公園口から出て、上野公園に入ったら道なりに右のほうに進み、国立西洋美術館の正門を通りすぎたら右に曲がると、右に見えてくる。
- 国立科学博物館の基本情報
- 住所:東京都台東区上野公園7-20
- 電話番号:03-5777-8600
- 平日と日曜日の開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
- 金曜日と土曜日の開館時間:9:00-20:00(入館は19:30まで)
- 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、年末年始(12月28日〜1月1日)
- 公式ウェブサイト:国立科学博物館 公式サイト
- 最寄り駅からのアクセス:JR「上野駅」公園口から徒歩約5分/東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口から徒歩約10分/京成線「京成上野駅」正面口から徒歩約10分
- 常設展入館料金:一般・大学生 620円/高校生以下 無料
国立科学博物館の周辺スポット
上野恩賜公園内には、国立西洋美術館・東京国立博物館・東京都美術館・上野の森美術館など、美術館や博物館が複数集まる。
上野公園のイベントを1日ですべてまわるのは大変なので、何日かかけてじっくり鑑賞したい。
国立西洋美術館
国立科学博物館のとなりに、2016年7月17日に世界文化遺産に登録された国立西洋美術館がある。
国立西洋美術館の常設展の見どころは、前庭にあるロダンの考える人や地獄の門の彫刻と、常設展ゾーンにあるモネ・ルノワール・ゴーギャンなど、印象派の画家による19世紀の絵画たち。
東京国立博物館
日本館の正面に向かって左に見える通りを渡ると、日本最古の博物館 東京国立博物館がある。
東京国立博物館の常設展の見どころは、本館・平成館・東洋館・法隆寺宝物館・表慶館の5館に展示する国宝の数々と、茶室がある日本庭園。
東京都美術館
上野動物園の方向に6分ほど歩くと、東京都美術館がある。
オープンから90年以上たつ、古くからの都立美術館。
屋外や館内に常設展示する12点の彫刻は、無料で見てまわれる。